Reaching Happiness,Touching Pain
and Always, Always・・・Death is Death ・・・・・
And Always,Always・・・Death is Death ・・・・・
O' to Dark Foundations Grey Deliverance・・・
Lyric:
Lee Dorrian
Gary Jennings
Mark Griffiths
D.P.Barnitz
奇妙なもの、おそろしく陰鬱な救済者、霊妙なる造物主、はたまた信ずるすべての主。
このCATHEDRAL(大司祭)という異形のバンドにはこのような形容があてはまるのではないだろうか。
彼らが出現したのは1990年頃、我が国日本では、あの人間椅子
がちょうどデビューした頃である。なんという奇妙な偶然であろう。両者ともBlack Sabbathの後継者
として輩出してきて、オドロオドロしい音楽世界を展開している似た者バンドである。
この西欧の人間椅子ともいうべきCATHEDRALというバンドにゲテモノ食いのこの私が興味を示したことは言うまでもない。
暗黒の大海原で嘆き、惨めさに悶絶し足許で死に絶えた愛に唾を吐きかけ苦悩という
陰謀を盲目に求めていた私が最初にこの音楽性にふれた時は、この偽物どもを粥にして味わい、気味なきもの
を心棒し、無益なものに献身する者どもが聴くような音楽をどうしても理解する
ことができなかった。しかし、耐え難きに耐え、回を重ねるにつれて、不可思議なるも
魅惑され、不快なるも心地良い、燃え上がる歪れた情念!!
私はいつの間にかその魂を称える歌に、漆黒の涙に溺れていたのだ。
1stアルバムである「この森の静寂の中で」は「弔儀」「黒き涙に溺れて」「蛇眼」「生贄」「静謐」「最後の願い」
「苦しみに耐え、幸福に至る」全7曲を通して、そなたを数々の美と恍惚に陥れ、蛇眼の夢の
柔美な抱擁を味あわせるだろう。そして、平穏の帷子をまとう堕落に心奪わしそなたを
伝説の呪いで底無し沼へと陥れ、呪縛の力を召還し、そなたにまだ見ぬ(葬られた)天国を課すであろう。
2ndではSabbathに対するアプローチがより明確になり、メジャー性を発揮しつつも“Enter The Worms”
や“Jaded Entity”のような1stからのドゥーム色の強い名曲も数多く存在していた。“Phantasmagoria”では、
LSD使用によるローン・ツリーのアドリブまで披露している。
高校生活より出でて大学生活という墓へはいり、瓦石を背負い炭黒の地下世界を徒労しながら感情の甘い
手に撫でられ愚劣な道に恋焦がれていた私の恍惚なる昂揚感が、この超越的な刺激で甦ったのだ。何と不吉
なこの不具なる熱情の輝きよ!!そしてこの時私はCATHEDRALに対して陰鬱なる献身を惜しげもなく捧げたものだ。
だが、しかし、3rd以降、私は彼らの音楽性の変化に疑念の情を禁じ得なくなっていったのだ。
Sabbathを真似ただけの顕微鏡観察的音楽性、見離された精神世界、霊的慣性、おだやかにとり込まれて、
そんな見せかけに屈するほど浅薄ではない!!
そして4th。もううんざりだ・・・明日の夢はベルベッドの聖所にしまい、俗富への王座は崩れ、栄光は
忘却へ、そしてもう何ものこってはいない。生命と同じく価値なきもの、真実など半分だけの言葉に塗られた
世界に変わり果ててしまったのだ。おお、おまえは、愛するおまえは私の許へはもう戻らない。生けとし生けるもの
はみな死の冷酷な謎へと消えていくように。
CATHEDRALよ、私はそなたに奈落の底から嘲笑を浴びせよう。おまえの顔から色は失せて、壊滅を感受する。
そしておまえの破局でおとずれる平和に我が友ガーゴイルと共に立つ。